2007年の少年法改正により導入された国選付添人制度は、極めて限定された対象事件について、家庭裁判所が必要と認めた場合に裁量により付すことができるにすぎず、家庭裁判所に送致され、観護措置決定を受けて身体拘束された少年に対する弁護士付添人選任率は未だ低率にとどまっている。

 少年審判手続きにおいて、弁護士付添人は、冤罪防止の観点はもとより、適正手続きの下、適正な保護処分に付するという観点からも、少年の更生を支援するという少年法の理念を実現するためにも不可欠の存在である。

 日本弁護士連合会及び全国の弁護士会は、少年が希望すれば無料で弁護士が面会する当番付添人制度を全国で実施するとともに、全ての弁護士会員から特別会費を徴収して基金を設置し、これを財源として、資力のない少年に付添人弁護士の費用を援助する少年保護事件付添援助事業を実施してきた。

 しかし、少年審判における適正手続きの保障、少年の更生に対する支援は、本来、国の責務であり、日本が批准している子どもの権利条約第37条は、「自由を奪われた全ての児童は、弁護人と接触する権利を有する」と規定しているところである。

 そこで、当会は、国に対し、少年法を速やかに改正し、国選付添人制度の対象を、少なくとも、家庭裁判所に送致され、観護措置決定により身体を拘束された全ての少年に拡大するよう求める。

 以上の通り決議する。

2011(平成23)年2月21日
島根県弁護士会定期総会